結論
専門店の店舗改善では、POSだけでなく 買わなかった顧客の行動 を見ることが重要です。
ABEJAの公開事例では、スキー・登山用品の専門店であるICI石井スポーツが、ABEJA Insight for Retailを導入し、来店者カウント、属性把握、エリア分析を行ったことが紹介されています。立川店や登山本店で、年代別の買上率や曜日別の来店傾向を把握したことが示されています。
この事例は、専門店が「経験と勘」だけで売場を作るのではなく、来店データと購買データを組み合わせて店舗ノウハウを蓄積する参考になります。
公開事例の要点
ICI石井スポーツは、スキー、登山用品の専門店です。公開事例では、全国をブロックに分け、地域に即した店舗づくりを行ってきた一方で、ブロックリーダーの経験に頼る部分が多く、ノウハウがブラックボックス化しがちだったことが背景として示されています。
ABEJA Insight for Retailの導入により、来店者カウント、属性把握、エリア分析を実施しています。立川店を実験店として属性別の買上率を分析し、若い世代と40代で傾向が異なること、土日と平日で来店傾向が異なることなどを把握しています。
重要なのは、売上だけでなく、来店者数、立ち寄り、属性、買上率を組み合わせて見ている点です。
中小専門店がまねしやすい順番
最初に、POSで分かることと分からないことを分けます。売れた商品、時間帯、客単価はPOSで分かります。一方で、何人が入店したか、どの棚で止まったか、買わずに帰った人がどれくらいいるかはPOSだけでは見えません。
次に、入口や重点売場の来店数を測ります。AIカメラを使わなくても、最初は簡易カウンターや手動記録でも構いません。重要なのは、買上率を「売上 ÷ 来店」ではなく「買上客数 ÷ 来店者数」で見られる状態にすることです。
その後、売場や接客を変えて検証します。若い層の買上率が低いなら、商品説明、価格帯、POP、スタッフの声かけ、導線を見直します。
導入時の注意点
AIカメラを導入する場合、撮影目的、保存期間、個人識別の有無、利用範囲を明確にする必要があります。店舗スタッフにも、監視ではなく売場改善のためのデータであることを説明します。
また、データは現場を責めるために使うと定着しません。来店者が多いのに買上率が低い場合は、接客の問題だけでなく、商品構成、価格、棚位置、季節性など複数の原因を見ます。
ICI石井スポーツの事例から学べるのは、経験豊富なスタッフの知見を否定するのではなく、数字で裏付けて共有できるノウハウに変えることです。
参考にした公開事例
この記事は、ABEJAのICI石井スポーツ店舗分析事例を参考にしています。
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参考情報
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よくある質問
POSデータだけでは何が足りませんか?
POSは買った顧客の情報が中心です。入店したが買わなかった顧客、棚に立ち寄ったが離脱した顧客の行動は見えにくいです。
専門店でAIカメラを使う目的は何ですか?
来店者数、属性、立ち寄り、買上率を見て、売場、接客、商品構成の改善に使うことです。
少数店舗でも店舗分析は必要ですか?
必要です。1店舗でも、曜日や時間帯、年代別の来店傾向が分かると、接客や品揃えの改善に使えます。